与党と野党の違い

よく聞く与党と野党とは

政治のニュースでよく、与党と野党という言葉を聞きます。何が違うのでしょう?
よく言われる説明は次の通りです。

  • 与党…政権を担う政党、法案の成立を目指す
  • 野党…政権を担わない政党、政権運営の監視をする

こういった表現は、与党と野党の一般的な役割を言っているのであって、正確な表現ではありません
法案は内閣あるいは国会議員が提出します。つまり、法案の提出に関して与党であるか野党であるかはは関係ありません。
与党の法案の方が可決されやすいということはおおむね正しいといえるでしょう。

与党と野党の定義

与党と野党の明確な定義はありません。憲法から順番に見ていくと分かります。

まずは憲法です。

  • 国会の存在が定められています
  • 国会は衆議院と参議院で構成されます
  • 内閣の存在が定められています
  • 内閣総理大臣の存在が定められています
  • 内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決によって選ばれます
  • 内閣総理大臣は国務大臣を任命し、内閣を組織します

次に内閣法です。

  • 国務大臣の人数が定められています

次に国会法です。

  • 委員会および委員について定められています
  • 会議について定められています

最期に公職選挙法です。

  • 衆議院議員の人数が定められています
  • 参議院議員の人数が定められています
  • 選挙について定められています
  • 選挙の管理について定められています
  • 小選挙区による議員の選出について定められています
  • 比例代表による議員の選出について定められています
  • 選挙権について定められています
  • 選挙区について定められています
  • 選挙活動について定められています

このように、憲法と法律には与党・野党・政権といった言葉は出てきません
唯一、公職選挙法では、比例代表の選挙で政党が関わってきます。
では与党とか野党とはいったい何なのでしょうか?

与党と野党がどうやって決まるのか

先の内容から、力の強い順番は、総理大臣、内閣(国務大臣)、国会議員となることが分かります。
厳密には三権分立なので、強いとか弱いということはないのですが、物事には順序があります。
まず初めに総理大臣が選出され、その総理大臣が内閣を組織し、そして内閣が行政を行います。

そのため、総理大臣や外務大臣の所属する政党与党それ以外の政党を野党というような言い方をします。

補足1:内閣総理大臣はどうやって決まるのか?

では内閣総理大臣はどうやって決まるのでしょうか?
それは憲法によって定めらていて、国会議員の中から国会の議決で決まります。次のような流れです。

  1. 衆議院、参議院それぞれで記名投票を行います
  2. 過半数を所得した人が各院の指名者です
  3. 過半数を超えなかった場合は、上位二人の決選投票によって指名者を決定します
  4. 各院の指名者が一致する場合は、その人が総理大臣になります
  5. 各院の指名者が一致しない場合は、両議院による協議で決定します
  6. それでも決まらなかった場合は、衆議院の議決が優先されます

分かりやすくするため、総理大臣を決定するフローチャートを作成しました。

ここからが肝心です。
政党によっては党議拘束と呼ばれるものがあります。これは、議員個人の意見で投票をするのではなく、政党で意見を固めて各議員にはその決定内容に従って投票をしてもらうという政党内の規則みたいなものです。

つまり、図と照らし合わせて考えると、衆議院議員の過半数を一つの政党が占めている場合、党議拘束によって、その政党が自由に総理大臣を選ぶことができる状態にあると言えます。

補足2:少数与党とか野党連合とか政権交代について

パターンとしては与野党の状態は次のような4つになるわけです。

  1. 総理大臣は第一政党で、第一政党の議員数が過半数を超える(第一政党が行政も立法も有利)
  2. 総理大臣は第一政党だが、第一政党の議員数は過半数以下(第一政党が行政は有利、立法は不利)
  3. 総理大臣は第一政党でなく、過半数を超える議員数でもない(第一政党だけど行政も立法も不利)
  4. (総理大臣は第一政党でないが、第一政党の議員数は過半数を超える)

2.の状態が少数与党です。1.の状態に持っていくためにほかの政党との協力をする関係性を結ぶことがあります。これを連立政権といいます。

3.の状態はめったにありませんが、2.の状態から野党連合により起きうる可能性があります。
その場合、与党と野党が入れ替わることになり、これを政権交代といいます。

4.は第一政党の議員数が衆議院議員数の過半数を超えているにも関わらず、総理大臣は第一政党ではないというよく分からないパターンです。この状態には恐らくなり得ません。

まとめ

総理大臣や外務大臣の所属する政党を与党それ以外の政党を野党というような言い方をします。
与党の仕事や野党の仕事といったものが定められているわけではありません。
あくまでも各政党の置かれている状態を表す言葉に過ぎないということです。
実際に仕事がどう変わるのかは国会議員に聞いてください。

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